血圧を下げる方法(食事編)

血圧を下げる方法(食事編)

血圧が高い方へ

健康診断などで「血圧が高い」と言われたことはありませんでしょうか?
血圧は元々様々な要因によって変動するものではありますが、高め高めできている方は大きな病気に繋がらない内に早めの対策が必要です。
血圧は季節によっても変動しますが、気温が暑い日寒い日は体温調節が必要になったり、運動不足や飲食での塩分摂取量が増加することで血圧が上昇しやすくなる場合も多くありますので注意が必要です。

血圧測定

高血圧に関係する脳血管障害と心血管障害での死亡者数

日本人は約3人いに1人が高血圧とされており、高血圧に関係する脳血管障害と心血管障害での死亡者数は年間約10万人とも言われています。

そして

高血圧の方の約7割は受診や対策をしていない状況です。

血圧の正常値

家庭での血圧 最高血圧135 mmHg /最低血圧85mmHg以下
病院での血圧 最高血圧140 mmHg /最低血圧90mmHg以下

高血圧の受診推奨判定値

140 mmHg / 90 mmHg 以上

チェック 健康診断などで高血圧を指摘されたら必ず受診し、改善に取り組むようにしましょう。

血圧の管理におすすめな食事2つのポイント

① 減塩に取り組む

加工品や外食などは出来るだけ避け、お家では塩分控えめを心掛けましょう。そうはいっても単に薄口にするのは味気なくて食事の楽しみが失われてしまいますので、ダシやスパイス、薬味などの調味料を上手に活用し高血圧を予防しましょう。

毎月17日は『減塩の日』
高血圧予防の観点から日本高血圧学会が減塩の日の申請を行い毎月17日は『減塩の日』として制定されました。これは、高血圧の方のみならず、国民全体が減塩に対する意識の向上を図るねらいがあります。

減塩の目安

世界保健機構(WHO)は一日の食塩摂取量の目標を5g未満と定めています。

日本人の食事摂取基準より18歳以上の食塩摂取量の目標は
男性: 一日8.0g未満
女性: 一日7.0g未満
高血圧の方: 一日3.0g~6.0g未満 とされています。

しかし、令和1年(2019)『国民健康・栄養調査』によれば
男性: 一日10.1g
女性: 一日9.3g 平均と推移しています。

身近な食品・料理にどのくらいの塩分が含まれているのか

例えば

  • 梅干し 1個(13g) 塩分2.2g
  • 味噌汁 1杯(150g) 塩分1.4g
  • たくあん 2切(30g) 塩分1.3g
  • かけそば 1人前 塩分6.4g
  • 明太子 1腹(60g) 塩分3.4g
  • アジの開き 1枚(130g) 塩分1.4g

注目 一日でこれらをすべて摂ってしまうと塩分オーバーとなってしまいますので、メニューの工夫が必要です。

無理なく減塩する6つのコツ

  1. 麺類の汁は残すべし
    (麺類の汁には塩分、カロリーが高いものが多い)
  2. 外食は麺を選ばず定食を頼むべし
    (お漬物や味噌汁を食べきらない飲みきらないのがよりベター)
  3. しょう油やソースなどは『かける』よりも『つける』べし
    (摂取量が少なく済みます)
  4. 加工食品は極力控えるべし
    (加工食品は保存や味のために塩分が多く使われる傾向があります)
  5. カリウムを含む食材を摂るべし
    (体の中の過剰な食塩の排泄を促す働きがあります)
  6. 塩味は一品に限るべし
    (塩味は一品集中型を意識することで全体的な塩分摂取量が減少します)

お馴染みの調味料も使いすぎには注意が必要

  • マヨネーズ
    (しょう油に比べると食塩は少ないですが、脂肪分が多く高カロリー)
  • 減塩しょう油
    (減塩だからと使いすぎはNG。無塩ではありません)
  • ポン酢しょう油
    (酸味があるため、あまり塩を感じませんがしょう油を使っているため使い方によっては塩分摂取量が多くなりがちです)

注目 お酢(穀物酢)には食塩が含まれておらず、減塩の強い見方です。それぞれの調味料の特徴に気を付けながらおいしく食事をいただきましょう。

減塩は一日にしてならず

減塩は意識しないとなかなか出来ないものです。塩分過多は血圧の上昇以外でも生活習慣病に大きく関わる事項ですので、日頃からのちょっとした心掛けや工夫が大事です。

② 野菜を多く摂る

カリウム、カルシウム、食物繊維を意識して摂ることが大事です。中でもカリウムは、必須ミネラルの一つで体の中の過剰な塩分(ナトリウム)の排泄を促す効果があります。

カリウムを多く含む食材

野菜ホウレンソウ、モロヘイヤ、ブロッコリー、セロリ、キャベツ、小松菜、なす、アボカド、西洋カボチャ、ニラ、水菜、いも類 など
果物バナナ、キウイフルーツ、メロン、さくらんぼ、パパイヤ など
海藻昆布、わかめ、あおさ、のり、ひじき など

その他、お肉やお魚にも多くカリウムは含まれます。また、牛乳や豆乳、麦茶、野菜ジュースやトマトジュースにも多く含まれます。
但し、高血圧改善に有効なカリウムですが、腎臓の働きが悪いと体の中のカリウム濃度が高まり、高カリウム血症にてカリウムの摂取制限が必要になる場合がありますので注意が必要とされています。

カリウムを含む食材のおすすめ調理法

カリウムは水に溶けやすいので、蒸し料理や炒め物が適しています。
また、カリウムの溶け出した煮汁を活用し、汁物にする方法も効果的です。

内臓脂肪の増加は血圧上昇に直結

BMI25未満を維持しよう

内臓脂肪の増加は血圧上昇と直結します。肥満指数であるBMIは125未満を目指しましょう。
肥満は運動不足と食べ過ぎによるものが殆ど。食べ過ぎは塩分過多にも繋がりますので、お腹いっぱい食べるのをやめて、無理なく継続できる軽い運動で食事と運動習慣の改善を図りましょう。

BMI値の求め方

BMI(kg/㎡)=体重○kg÷(身長○m×身長○m)

BMIを簡単に計算できるサイト 肥満度診断 BMI指数

チェックBMIが20未満の人に対してBMI25~29.9の人では高血圧のリスクが1.5~2.5倍になると言われています。


おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は血圧を下げる方法として食事に関することを中心にお伝えしました。特別な症状がなくても少しづつ体の中ではダメージが蓄積され、ある日突然心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのが高血圧の怖さです。高血圧であればあるほど病気の発症や死亡リスクが高くなりますので高血圧の治療は早め早めが鉄則です。
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