目次
てんかんとは
てんかんは脳に関係する慢性疾患です。日本神経学会による『てんかん治療ガイドライン』には、「大脳の神経細胞が過剰に興奮する事に伴って反復して起こる発作で、普通とは異なる身体症状や意識・感覚の変化が突然に生じるもの」と定義しており、反復つまり繰り返す特徴があるとされています。
てんかん発作の症状と原因
てんかん発作は2つの種類にわけることが出来ます。
①全般発作(脳の大部分または全体が興奮して起こる発作)
- 意識を失う
- 全身が硬直する
- 力が入らなくなる
②部分(焦点)発作(脳の一部が興奮して起こる発作)
- 手足が痙攣する、硬直する、しびれる
- 光が見える
- 音が聞こえる
- 頭痛や吐き気がする
- ぼんやりとする
また、てんかんはそれぞれに脳の損傷がある症候性と脳に異常のない特発性に分かれます。
子供のてんかん
小児のてんかんの多くは特発性の全般発作で、意識を失い倒れるなどのことがあります。また小児のてんかんの場合は脳の発達と共に改善されるケースもあります。
大人のてんかん
大人のてんかん、とりわけ高齢者のてんかんでは症候性の部分発作が多く、ぼんやりするなどの症状は起きても倒れることはまれで周りの人に気付かれにくい特徴があります。高齢者のてんかんは脳に損害がある症候性が多い為、脳卒中の既往があったり、認知症を患う高齢者が増えていることが要因となり近年高齢者のてんかんが増加傾向にあります。
てんかんの治療
てんかんが疑われる場合
1)てんかん発作のきっかけになりうる発熱や脱水、アルコールやお薬の影響、脳卒中や感染症など意識レベルに影響を与えそうな急性疾患がないか検査をします。
2)脳の状態と脳波の検査を行いてんかんの診断を行います。
てんかんと診断された場合
薬物や手術、食事療法など状態に合わせた治療が行われます。高齢の場合、普通抗てんかん薬が効果的で少しのお薬で発作を抑えることが出来ます。また、てんかん発作が長く続く場合や意識がない場合は迷わず救急車を要請する必要があります。
てんかんは放置すると脳にダメージを受けることがありますので気になった方は専門医への相談をおすすめします。