CKDは新たな国民病
CKDとは
『chronic kidney disease』の略で、『慢性腎臓病』のことです。
慢性腎臓病とは、慢性的な腎臓病全般のことで、腎臓の動きが低下していく病気です。
日本人の成人8人に1人がCKDであるといわれており、CKDの原因の半分以上が生活習慣病です。生活習慣病と共に比較的高頻度にみられることから新たな国民病ともいわれています。
CKDになるとどうなるのか?
CKDの初期の頃は自覚症状が殆どありません。腎臓は沈黙の臓器と言われ、そのため自覚症状が出始める頃には既にかなり進行している状態の場合も多いです。
腎不全にまで進行してしまうと、腎臓の本来の働きである尿による老廃物の排出が自らできなくなってしまうことから、最終的には人工透析(血液透析、腹膜透析)や腎臓の移植が必要になってくることもあります。
また、CKDは心臓や血管にも負担を掛けてしまうことから、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクも高くなりますので、CKDの予防は誰もが積極的に取り組むべきなのです。
CKDの自覚症状
CKDが進行すると夜間頻尿や浮腫みが強くなったり、疲れやくなったり、貧血や血圧が上がる、不整脈などの症状が現れます。
CKDの早期発見
CKDは初期の自覚症状が乏しく自ら気付きにくいため、早期発見には定期的な健康診断による尿検査、血液検査が有効です。尿たんぱくや血清クレアチニンなどの数値が高い場合は要注意。CKDの黄色信号です。
腎機能の評価指標の一つに eGFR(推算糸球体濾過値)という項目があります。eGFRは血清クレアチニンと性別、年齢から割り出される値で異常のある方は積極的に再検査を受けることをおすすめします。
健康診断などで異常が指摘されてもそのまま放置する方がいますが、特に腎臓機能は人間の生命維持にとって非常に大切な働きがありますので、異常数値に目を背けずにしっかりと診断を受け、必要に応じた治療を受けましょう。
CKDはどんな人がなりやすい?
生活習慣から
- 肥満の人
- 塩分の多い食生活をしている人
- 運動不足の人
- 飲酒の機会が多い人
- 喫煙者
(喫煙は肺だけでなく腎臓へも悪影響を及ぼすことが分かっています)
健康診断の結果から
- 血圧が高い人(高血圧)
- 脂質異常(コレステロールが高い)といわれた人
- 高血糖といわれた人
- 尿酸値が高い人(高尿酸値症)
その他
- 遺伝
- 高齢
- 心臓病などの持病
CKDの主な原因は生活習慣病
CKDの発症や進行を抑えるには食生活や運動習慣による生活習慣病の改善が大切です。 運動、禁煙、減塩、まずは出来ることから始めてみましょう。 |
CKDの治療
CKDの治療の目的は末期腎不全の進行防止です。
CKDの進行度合いなどにより治療は異なってきますが、生活習慣の見直しや食事療法などから、血圧や血糖などの薬物等による管理が複合的且つ総合的に行われていくこととなります。特に腎機能に悪影響を与える高血圧の治療は非常に重要とされています。
また、腎臓機能の低下が認められる人は、市販薬の服用にも注意が必要です。お薬によってはCKDを悪化させてしまう場合もありますので、新しい薬を検討される場合は服薬する前に主治医に相談するのが良いでしょう。