解熱剤

解熱剤

発熱はなぜ起こるのか

免疫反応とはすなわち体の防御システム機能

人間が風邪やインフルエンザなどに感染した時、体内に入ってきた細菌やウイルスに対して赤血球などの細胞が防御・攻撃し感染症から守ろうとします。これを人間の免疫反応といいます。発熱に関しても免疫反応の一つであり、体温を上げることで細菌やウイルスの繁殖を抑えようと試みます。また、赤血球などの免疫細胞が活発になり攻撃力が高まります。
体内で細菌やウイルスと人間との戦いが始まるとサイトカインといわれる炎症物質が作られます。サイトカインが血液を通して脳に行きつくと、情報伝達物質であるプロスタグランジンが作られ、脳から体温を上げるよう指令が出ます。この指令によって筋肉を振るわせたり、発汗を制御したりして体温が上がるのが発熱の仕組みです。
このように熱が出るのは体温の上昇によって体を守ろうとする身体の防御システムですので、熱が出たからといってむやみに熱を下げようとするのは間違いです。

解熱鎮痛剤は熱を下げ痛みを和らげる

解熱剤のほとんどに鎮痛作用と抗炎症作用が含まれているため解熱鎮痛剤といわれています。ロキソニンやボルタレンなどの痛み止めの効果が強い非ステロイド性消炎鎮痛剤と炎症を抑える効果の少ないアセトアミノフェン(カロナールなど)があります。
解熱剤に病気そのものを治す効能はありませんが、発熱で本人が辛いといった時に解熱して身体を体力を回復させることで病気の改善を促すことが必要な場合があります。

解熱剤を使用する目安

大人 38℃以上

子供 38.5℃以上

それぞれ平熱にも個人差がありますので上記はあくまでも目安となります。

注目 発熱していても本人が辛くなければ無理に熱を下げようとする必要はありません。

解熱剤と市販薬

市販の解熱剤を使う時の注意点

子供の発熱に大人用の解熱剤を使うのはNGです。小児用の解熱剤にはアセトアミノフェンという比較的安全に使用できる成分が入っていますが、大人用にはその他にも色々な成分が含まれています。
「子供だから半分なら良いだろう」などと自己判断するのは大変危険ですので、子供には小児用の解熱剤を使いましょう。

発熱

チェック 症状の改善がみられないなどがありましたら出来るだけ早く病院を受診し、医師の判断を仰いで適切な治療を受けましょう。

解熱剤とコロナ

新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応に対する解熱剤の使用について

ワクチン接種後の副反応による発熱等には当初ロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤ではなくカロナールを推薦する意見が一般的でした。その為、カロナールの主成分であるアセトアミノフェンと同じ成分の市販薬であるタイレノールが品切れする薬局やドラッグストアーが続出しました。

注目 現在はロキソニンなどの解熱剤の使用も一般的に問題ないとの厚生労働省の見解が出されています。

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