高血圧と自覚症状
高血圧は日本人の代表的な生活習慣病であり約4,300万人いるといわれています。高血圧を放っておくと脳梗塞や心筋梗塞、肝硬化症など人間が生きていく上でとても重大な病気を誘発する恐れがあります。自覚症状がなかったり、あっても忙しさなどを理由に対処しないままの方も多いのが現状で、半数は治療を受けていないともいわれています。通常、高血圧であることだけで苦しさや頭痛などの特異な症状が出ることはまずありませんが、脳の障害が原因である高血圧の場合は頭痛や吐き気などの自覚症状が現れます。
血圧とは
血圧とは心臓に酸素や栄養素を届ける血液が血管を通る際の血管の壁にかかる圧力のことをいいます。心臓は全身に血液を送るために鼓動し、それを受け止める血管の柔軟性が求められます。心臓の鼓動の力強さと血管の柔軟性のバランスが崩れると全身に酸素や栄養素が行き渡らなくなるため、心臓はもっと血液を送り届けようと多くの血液を届ける努力をします。この時心臓や血管に大きな負担がかかることとなりさまさまな病気を誘発することになります。
高血圧を男女比で見てみると圧倒的に男性の高血圧が多く、20代でも1割の方が高血圧であるとされています。女性はホルモンの関係で高血圧になりにくいのですが、それも若いうちだけで、40代を境に男女差がなくなります。高血圧は年齢と共に増える傾向があり、また遺伝性の強い病気でも知られています。
高血圧の種類
- 甲状腺などによるホルモン異常によるもの
- 睡眠時無呼吸症候群などの生活習慣病以外によるもの
- 本能性高血圧によるもの
①と②を合わせても全体の15パーセント程度であり、高血圧の殆どは③の本能性高血圧によるものです。
また、運動や入浴、食事後や緊張などの際に起こる一過性の血圧上昇は高血圧とはいいません。
本能性高血圧とは
本能性高血圧とは、遺伝をはじめいくつかの生活習慣病による要因が重なって起こるとされており、中でも喫煙や肥満などが危険因子といわれています。
血圧測定について
家庭で測る血圧は135/85mmHgが高血圧の基準値です。
血圧は場所や時間、測る前の状況や環境などによって大きく変動します。家でリラックスした状態で測る血圧と病院で図る血圧では病院で緊張して測る血圧は高く計測されるのが普通です。ですが、まれにこの逆の反応を示すことがあり、この場合『仮面高血圧』といわれ見逃しやすくなるため注意する必要があります。
高血圧が気になる方は、家庭での血圧を毎日同じ時間に1日2回以上計測し、メモしておくようにしましょう。そして受診の際は医師へ提示することで医師が正しい判断が出来る一つの材料となります。
高血圧に関わる病気のリスク
脳の血管障害 | 脳梗塞、脳出血 |
心臓の血管障害 | 心筋梗塞、狭心症 |
腎臓の血管障害 | 腎硬化症 |
自覚症状がないからと高血圧を放っておくのはこれらの病気のリスクが高まります。
高血圧は糖尿病を併発しやすくまた糖尿尿病も高血圧を併発しやすいとされています。
高血圧を放置すると動脈硬化が進み、命に関わるこれらの病気に発展する危険性がありますので、早めの受診をおすすめします。
高血圧の危険因子
高血圧の危険因子は生活習慣の乱れです。
中でも食事と運動習慣を正すことが第一です。高血圧症にはお薬による治療が多いのですが、それに加えて根本的なこととして食事と運動習慣の改善がキーポイントとなります。食事に関しては特に塩分の摂りすぎが問題になっていることが多く、運動と合わせて肥満を解消することが大事です。また喫煙は血圧を上昇させますので、喫煙者の場合は当然禁煙が求められることになります。
おわりに 血圧の管理は生活習慣の見直しから。減塩や運動、禁煙が大事です。 また早期発見早期治療が要です。特別な自覚症状がなくても高血圧であれば早めに治療を開始しましょう。 |